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ぶた飼い

ノックおじさんはタイ人と中国人のハーフ。ぶた飼いの仕事をしていました。ある日、ぶたをほしがっている人がいるというので、会って話をし、翌朝、ぶたを計量してから売る約束をし、手付金を受け取って別れました。

夜になると、ぶた小屋ではぶたたちが人に姿を変え、

「明日になったら殺されてしまう、どうしたらいいんだろう」と、

オイオイ嘆き悲しんでいました。

ノックおじさんは、家の裏から泣き声が聞こえてくるので、不思議に思って、様子を見に行きました。すると、ぶた小屋にはたくさんの人。どういうことかと、もっと近づこうとしたときに、床板がミシッミシッと音をたてました。それでびっくりしたぶたたちは、もとの姿に戻ってしまいました。

夢でも見たかと、部屋にもどって寝ようとしたノックおじさんですが・・・。
しばらくすると、またシクシクと聞こえてくるではありませんか。

「逃げるにも逃げられない、どうしよう・・・」

気になったノックおじさんが起き上がって見に行くと、今度はぶた小屋いっぱいに、白い布を身にまとった修行僧がすわって泣いていたかと思うと、あっというまに、ぶたに姿を変えたのです。

次の日の朝、ノックおじさんはぶたを全部逃がすことにしました。約束どおり、ぶたを買いにやって来た人に、ノックおじさんは言いました。

「命あるもの、死にたいものなどいやしないさ」

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