HOME > タイ語別館 > タイの昔話 > ぶた飼い |
|
![]() ノックおじさんはタイ人と中国人のハーフ。ぶた飼いの仕事をしていました。ある日、ぶたをほしがっている人がいるというので、会って話をし、翌朝、ぶたを計量してから売る約束をし、手付金を受け取って別れました。 夜になると、ぶた小屋ではぶたたちが人に姿を変え、 「明日になったら殺されてしまう、どうしたらいいんだろう」と、 オイオイ嘆き悲しんでいました。 ノックおじさんは、家の裏から泣き声が聞こえてくるので、不思議に思って、様子を見に行きました。すると、ぶた小屋にはたくさんの人。どういうことかと、もっと近づこうとしたときに、床板がミシッミシッと音をたてました。それでびっくりしたぶたたちは、もとの姿に戻ってしまいました。 夢でも見たかと、部屋にもどって寝ようとしたノックおじさんですが・・・。 「逃げるにも逃げられない、どうしよう・・・」 気になったノックおじさんが起き上がって見に行くと、今度はぶた小屋いっぱいに、白い布を身にまとった修行僧がすわって泣いていたかと思うと、あっというまに、ぶたに姿を変えたのです。 次の日の朝、ノックおじさんはぶたを全部逃がすことにしました。約束どおり、ぶたを買いにやって来た人に、ノックおじさんは言いました。 「命あるもの、死にたいものなどいやしないさ」 ▲PageTop |