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ずるがしこい うさぎ

それはとても暑い日のことでした。1匹のうさぎが沼で水を飲もうと、森から出てくると、かたつむりに出会いました。うさぎは

「どちらが早いか競争して、勝ったほうが負けたほうを食べることにしないか」と言いました。

かたつむりが

「いいよ」と言って、うさぎの挑戦を受けたので、2匹は競争の日取りを決めて、別れました。

ウサギはかたつむりに絶対に勝てる方法はないものかと知恵をしぼりました。かたつむりも、どうしたらうさぎに勝てるものかと、寝てもさめてもそのことばかり考えた末、沼じゅうのカタツムリを呼び集めて、相談することにしました。

さて、競争当日、スタート地点に立った2匹は、スタートの合図で、飛び出しました。いよいよ競争の始まりです。すばやく飛び出したのはうさぎ、かたつむりをリードしました。しばらくして、うさぎが

「調子はどうだい?」とかたつむりに声をかけると、

「上々だよ」と、すぐに返事が返ってきます。

レースが進み、何度声をかけても、かたつむりの返事は変わりません。

あせったうさぎは、スピードをあげ、全速力で駆け抜け、息も絶え絶えゴールしました。ところが、かたつむりはとっくの昔にゴールし、しかも、すずしい顔をして、うさぎを待ち受けていたのです。

かたつむりが、どうやってうさぎに勝ったかですって?

実は・・・かたつむりは、仲間のかたつむり全員に協力してもらって、あらかじめスタートからゴールまでの間の何ヶ所かで、スタンバイしていたのです。そして、前のかたつむりが来たら、つぎのかたつむりに交代・・という

リレー方式で走ったのでした。

さて、勝負に負けたうさぎは、どうしたら、かたつむりに食べられずにすむかを、考えに考えました。水を飲みに行こうにも、かたつむりに見つかって、食べられてはたまらないので、ちょうどそこにいたワニの背中に乗せてもらうことにしました。

ところが、うまく向こう岸に着いてしまうと、うさぎは、ワニにお礼を言うどころか、ワニの頭にうんちをしたあげく、頭にうんちのついたワニをバカにしました。ワニはうんちはくさいわ、笑われるわで、もうかんかん。いつか仕返しをしてやるぞ!と心に決めました。

次の日、足を水につけて、水際にこしかけているうさぎを見つけると、ワニはそーっと近づいて、ガブリと噛みつきました。ところが、うさぎが

「ばかだなあ、おまえがかんでるのは、ぼくの足じゃなくて、木の根っこだぞ」と言うものだから、ワニはすっかりだまされて、口に加えていたものを離したとたん、うさぎはさっと逃げ出し、

「ははーっ。ひっかかった!さっきのは本当は僕の足だよ」

ワニはもうくやしくて、くやしくて。

今度こそ絶対仕返しをしてやる!!と、機会を待つのでした。

それからしばらくしたある日、うさぎは丸太にすわり、しっぽをだらりと水の中にたらして、涼んでいました。それを見つけたワニはそーっと近づいて、うさぎのしっぽに噛みつきました、うさぎはあまりの痛さにどうにかなりそうでしたが、今度こそはもう逃げられないと観念しました。こうして、しっぽはワニに食いちぎられ、それからというもの、うさぎのしっぽは、今みたいに、まるくて、ちっちゃくなったそうです。

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