■ タイの昔話
■ 業務紹介
■ タイ語別館
■ 会社情報
■ 広告

HOME > タイ語別館  > タイの昔話 > 一番になるには

一番になるには


ある村に、ずらっと並んださとう椰子の林がありました。この村は、さとう椰子の木から取れる、砂糖や、幹から作る柱や梁、そしてパック・ブン(空芯菜)の収穫に使う「イーポーン」と呼ばれる船などの生産で有名でした。

チャンじいさん、ホームばあさん、その息子家族も代々そうした仕事をしていました。毎日畑に行ってはさとう椰子の汁を絞りジュースにして、市場へ送って売りました。チュムじいさん家族は、古くから言われる、
「家に来てくれた人には誰でも、心からのおもてなし」
の言葉どおりに日々過ごし、お客さんにとても愛想がよかったので、わざわざ村まで買いに来るお客さんもいました。中でも息子のガイは村の人たちが
「働きものの孝行息子」と呼び、親のいいところを全部受け継いでいました。
お客さんが来ると、ガイはまず水を持って行き、笑顔で

「こんにちは。いつもありがとうございます。」とあいさつし、帰り際には

「どうぞまたいらしてください。」と言いました。お客さんもガイの笑顔につられて、つい微笑んでしまうほどで、ガイ自身も楽しく働いていました。

ガイは話が上手で、お客さんが来るといろいろ話しかけました。それで、同じ年の子どもたちよりもいろんなことを知っていたのですが、みんなが

「ガイはすごいなあ。いい子だし、話も上手だし。きっとすごくりっぱな人になるぞ。」と自分をほめるのを思い出しては、どうしたら、みんなが言うようになれるだろうかと思っていました。

ある日、ガイは仕事を終えて、縁側で転がりながら、子どものようにいろいろ考えていると、うとうと眠ってしまいました。そして夢を見ました。

神さまが天から舞い降りてきて、

「あなたが願っているようになりたいなら、いっしょうけんめい働きなさい。そうすれば、きっと願いどおりになりますよ。そしてすごく有名になって、あなたの村も“一番“と呼ばれるようになりますよ。」と言いました。
夢の中でガイは笑っていました。ごほうびをもらいにいくところでしたが、ホームばあさんの

「ガイ、どこにいるの?ごはんだよ。おいでー」
という声にびっくりして、飛び起きました。ガイは もうちょっとでごほうびがもらえるところだったのに・・とぶつぶつ言いながら、ごはんを食べに行きました。

ごはんのときに、ガイはおとうさんとおかあさんに夢のことを話しました。おとうさんは、
「夢は叶うさ、いっしょうけんめいやればな」と言い、
お母さんは
「いっしょうけんめいやれば、おのずと結果はついてくるものよ」と言いました。
「おとうさんもおかあさんも応援するから、もっとがんばりなさいさとう椰子畑一の働きものさん」

▲PageTop