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![]() 村では米撒きは結婚の大切な儀式のひとつとされていました。昔は、結婚するときには、新郎側が米を持って、新婦の家に持って行き、結納の品として納めて、一緒にごはんを食べることになっていました。それは、2人がこれからの一生を、いっしょに過ごしていくことを意味していたのです。その後、ふたりは米を撒くのですが、それは、悪霊を追い払い、災いから2人を守ってくれるという意味もありました。 ある日、結婚式がとり行われ、僧侶のお経も終わりました。皿には悪霊たちへのごちそうの他に、栓を抜いたお酒も用意されていました。宴会が始まると、悪霊のひとりが仲間の悪霊たちに酒をふるまい始め、飲めや歌え、歌えや踊れの大騒ぎを始めました。悪霊たちがさらに集まってくると、一人の悪霊が言いました。 「このうちは狭苦しくないか?」 さて、祝いの儀式の時間になって、一同が集まり、結婚する2人はみんなにお礼の挨拶をして回りました。お母さんは両手で米をかき混ぜた後、一つかみすると、家の周りにばら撒きました。宴会を楽しんでいた悪霊たちは、米をぶつけられると、 悪霊がひとり逃げ遅れて、米俵のところに隠れて、どうしたものかと困っていましたが、廊下からそっと外へ抜け出し、仲間の後を追って、飛んで行きましたとさ。 |