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![]() むかしむかし、ひとりの木こりが森に小屋を建てて住んでいました。木こりには息子が2人いましたが、木こりは下の子をあまりかわいがっていませんでした。下の息子はみんなから、「ムーン」と呼ばれ、人と話すのがきらいで、いつも黙々と働いていました。ムーンはひとりでいるのが好きだったのです。 ある日、いつも怠け者の上の子が何を思ったか、父親の仕事を手伝いたいと言うので、木こりは喜んで、弁当にガイ・ヤーン(チキンの焼いたもの)と大きなデザートを持たせてやりました。上の子が木を切っていると、小人が木の影から出てきて言いました。 次の日、ムーンが、自分も木を切りにいきたいと言い出しましたが、木こりは、ムーンの顔をちらっと見ると、ばかにしたように、 さて、ムーンはご飯を食べ終わると、小人に言われたとおりに、木を切ってみました。 すると、そこには、ピカピカの羽をしたがちょうがちょこんと座っているではありませんか。ムーンはそれを抱いて家に帰ることにしました。 ムーンは家に帰る途中で、女の子に出会いました。その子は、ぴかぴか光るがちょうの羽を見ると、たまらなくほしくなって、引っぱってとろうとしました。すると、どうしたことでしょう。女の子の手が、ぴたりとくっついてはなれなくなってしまったのです。ムーンについて行ってしまう女の子を見て、その子のお母さんはもうびっくり。女の子の手を振りほどこうとしたら、今度はなんと、お母さんの手がぴたり。 ムーンはといえば、お父さんとお兄さんのことを忘れず、ふたりを迎えに行き、みんなで幸せに暮らしましたとさ。 |